(毎月発行の『連絡紙』より)

●令和7年3月号

何を大騒ぎしているのか…既に解散しているSMAPと言うグループのリーダー中居正広のスキャンダルの事である。
 マスコミは簡単に文句を垂れていれば済む格好の事件を得て、大張り切りである。芸能関係の記者は誰もシラっとはしていないようだ。勝手に記事が湧いて出て来るのだもの、楽して金を稼げるのだからタレントの人格もそのタレントに関わった女性のそれも、週刊誌側にとってはどうでも良いのだ。テレビでは記者会見の中継迄しているが、情けないと思うのは筆者だけだろうか。
 記者会見とは言うが、そもそも誰が知りたいと思うものであるか、事件当時者を抜きにしては意味があるまいし、それを市井の人々が積極的に知りたいと思うのだろうか…知ってどうするというのだろう事の疑問がある。
 雑誌側はテレビ写りの為の論理を振りかざしているが、自分の足元をよく見てほしいし、テレビ放映の倫理など本当に存在してるのだろうか…と思ってしまう。
 明確に言うなら、中居と言うタレントが何をして、慰謝料として9000万円を件の女性に支払いをしたのか…そこから始めるべきで、そこが見えていないのに、大騒ぎである。
 問題の発端と言うか始まりを週刊誌が1誌だけ記事にした様である。そこで話が大きくなった。だが問題の中心である女性との間に何が起こったのか…市井の人々の多くは知らない。知らないけれども、芸能記者達はしこを広げず明白にしないで話を進めている…人権擁護の為にと称してはいたが、基本的には慰謝料の支払いと関係したテレビ局の局員の事だけを問題にしている。問題を起こして中居氏は引退と称して出てこない、である。不思議な大騒ぎで、そんな事で報道の中立が保てると信じている報道とやらのなさけなさを思ってしまう。
 中居君は52歳であるそうだ。男子が52歳になって女性に関心を持たない事の方が異常であるし、関心の表し方を金で処理しようとする視野の狭さをタレント業界全体で対応すべきなのに…1月末になっても、そこを問わない、問わないばかりか失念して関係したテレビ局の問題にしてしまっている。
 なにを思ってあの記者会見にテレビ局は集まったのだろうか、そしてやり直しの記者会見を長時間にわたって行い、そこで何が判り、視聴者は納得したというのだろう。そもそも、「事件」が何なのか報道記者だけが判り、関係報道を含め、事件が起きておわっているというその「主体」を抜きにしたままである。
 中居事件を明確にしないで記者会見を行って、何を細々と質問せねばならないのか…加害者も被害者も出席しないで、フジ産経グループの報道部門のお偉いさんが報道各社に突っ込まれて、丁寧に答えて行く。事件の主役は出席しないでである。
 報道視聴者の納得すべき事案が存在したとして、知っているのは報道をした週刊誌一社の筈なのに、だ。そこをどう表現して問題の確信を説明しようというのか…筆者には判らない。要するに公的電波の私有乱用にしか思えない。
 見る側・聞く側にはどうでも良い事の記者会見ではなかったか。それを延々と行って普段の取材対応での不満をぶっつけた記者会見ではなかったか…報道する側と報道取材班との未熟だけが目立っていた。それで胸を張れる報道と言えると思っておられることが実に嘆かわしい事なのに、だ。
 恐らくだが、他の報道各社も同様な思い上がりをなしていよう…。他の報道局があの記者会見に集合して、テレビ電波に乗せた事を見ても、それが判る。あの記者会見を取材するのは自由だが、取材の結果、その報道をいないで捨てるという判断ができなかったものか…報道各社のなれ合いを感じて辛くなる。報道の電波にはどうでも良い事が沢山あるという事になろう。それなのにそれを正義と思って鼻高々に報道できるって、どうなつているのか…報道陣の自重自戒が求められる。

 



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