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この国は国民の和合の証として天皇一族が存在されている。先の戦争終了後、戦勝の連合国側が勝手にその存在を許した…と言うより、天皇と言うその存在を利用して、国を穏やかに営むように仕向けた。国民がその在り方を喜んでいたのかどうかは判らないが戦後半世紀はそういう存在を象徴天皇と呼ばわり、余程の人でないと天皇家に対して斜に構えはしない。象徴なる存在しかないが、いかにこの国の平穏を保つためになられたか…何もなかったわけだが、ただ存在されるだけで国民は喜んでしたがってきた。
天皇と言う地位なのか立場なのか…それが存在し始めたのは、八世紀で、始まりはちゃんと機能してあった。政治に積極的に発言して国の方向付けを為してきた。その頃の天皇であろう。だが政治力が求められて天皇と言う存在が必要とされたのではない。要するに一族の基本の血筋の家系は結構な数が存在したはずである。
智は腕力よりも強かった時代があったのだ。現代も含むところは同じであるようだが、明確な血筋の存在は大きな意味があったようだ。
天皇家が我々の先祖であるとして天皇家の血筋が一番古い…と何を根拠にいえたのだろうか。恐らくだが天と言う「王」が作られ、その勢力が奈良分地を制した時のことを指すのだろう。
その奈良勢力の支配する地域が拡大してゆくにつれて、王は大王と呼ばれいつしか天皇とよばれるようになった…とは言えよう。
この国の近畿地方で大王が天皇と呼称になるまでには多くの王や大王が消えて行っただろう。当時は竹の弓矢が主たる武器であった。
それに対する天皇側は鉄の矢じりを使ったようだ。天皇家成立には製鉄技術の確立が大きく作用したと言えるようだ。
かくして日本と言う国の基礎が誕生し、それが現代の東北地方にまで拡大していった。製鉄の技術を持たない東北の人々は鉄を持つヤマトの勢力に叶わなかった。
私鉄技術は、武器の製造だけではなかった。武器よりも、土地の開拓に大きな貢献をした。鉄の塊を薄く延ばして木製の作業用具に張り付けた。ただそれだけで。木製農具は鉄製農具に変わることができた。土を掘り起こして人がすみやすい土地を作っていった。
この国の古代は製鉄のためにてっこうせきを見出し、溶かし、農具に張り付けて生産性を上げた。更には生産性だけではなく、戦時用の武器にも大きな力となった。
発見した鉄鉱石を溶かす為には強力な火力が必要で、そのために山々の森林資源が消えて行った。何よりも、鉄鉱石と言う資源を掘削する作業をする人や、木を切り出して炭にする作業が大変だった。
鉄鉱石を溶かして鉄にするためには可なりの高温の熱が求められた。高温にするためには熱源になる燃料とその熱源が完全に燃えて温度を上げてゆくことが求められた。
その熱源は山々の雑木が対象だった。この雑木は他の樹木が燃えるより高温になるのだが、更に高温にせねばならなかった。そのためには酸素の補給が必要だった。なんであれ燃やすことはできるが、高温に燃やすことは難しい事だった。酸素を吹き込む道具が考案された。
いわゆる「ふいご」が発明された。ふいごは大した発明と言えた。
あとは火を操る人の確保であった。なにしろ高温でないと鉄鉱石は溶けない。ふいごを使っても、そこまで高温にすれば、人間がやけどをする…火傷をする高温を維持できねばならない…そこは当時の社会体制が利用された。「人でない人」を使って火力を上げたようだ。
いわゆる奴隷と呼ばれた人々が鉄を溶かした。当然に使われた奴隷は短命であった。当時の社会体制はそうだった。製鉄は命を引き換えの作業だった。
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